【映画】『インスタント沼』
見ました。
わけがわからない映画です。褒め言葉です。
アラサーくらいの設定かな?この麻生久美子演じる主人公沈丁花ハナメ、仕事も私生活も踏んだり蹴ったり。そんなとき、自分の実の父親の存在を知る。彼を探し当てるもその人物に困惑するハナメだが、次第に交流を深めるうちに彼との関係にも変化が。
と書くと、まあまともな(ただしそんなに面白くなさそうな)ストーリーかとも思われるんですが、全然そうじゃない。正直ストーリーなんてどうでもいい。重要じゃない。この映画、なにからなにまでおかしい。理由とか考えちゃだめ。理屈で観ちゃだめ。そういう映画。なんにも考えないで頭を休めて、くすりと笑って元気を出す映画。
あと、これとても重要なんですが、麻生久美子がとてつもなく可愛い。この主人公の狂いっぷり、痛さっぷりを、まあまあな年齢の女性が絵になるように演じるのは簡単じゃない、と思うんです。中途半端な美人女優がやったら絶対興ざめ。麻生久美子だからできる役。麻生久美子だからこのおかしな主人公を可愛く仕上げられているんだと思います。
とにかく麻生久美子が可愛いのでおすすめ。麻生久美子が可愛いだけの映画だと言っても過言ではないでしょう。
それでもなんとなく、前を向ける映画です。観たからといって悩みが解決したりすることはないけれど、張りつめていた気持ちを、なんとかなるか、と少し、緩めてくれる映画です。
最後に主人公が叫ぶ言葉にもじんわりきました。
いい!?世の中の出来事のほとんどは大したことないし、人間、泣いてる時間より笑ってる時間の方が圧倒的に長いし、信じられないものも見えるし、一晩寝れば大抵のことは忘れられるのよ!とにかく、水道の蛇口をひねれ!そして、その嘘と意地と見栄で塗り固められたしょうもない日常を洗い流すのだー!
そうそう。泣いてる時間より笑ってる時間の方が長いんだ。一晩寝れば大抵のことは忘れられるんだ。
水道の蛇口については映画を観てください。落ち込んだとき、どうにもならないとき、水道の蛇口をひねってみよっかなと思うようになる、はず。
【作品情報】
『インスタント沼』
監督:三木 聡
製作国:日本
公開:2009年5月