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【映画】『キャロル』

昨日有給休暇をいただいていたので、観てきました。平日にもかかわらず結構な観客数でした。お美しいマダムが多かったです。いいですね。

 

さて、感想。ネタバレも含む(かもしれない)ので、ご注意ください。

 

評判は上々のようで期待していったのですが、わたしにはそこまでぐっとくるものがありませんでした。映画としての「芸術性」にあまり関心がないからかもしれません。「美しい映画」と評されているように、画面に映る色彩がこの映画の魅力のひとつらしいのですが、そこにもあまりピンとこなかった。評判がいい映画を「いいもの」と感じられないと、「あ、わたしの感性って鈍いのかな…」と結構落ち込みます。

 

デパートのアルバイト店員として働くのテレーズ。異性からの熱心な交際の誘いにも積極的になれず、本当にやりたいことにもいまいち踏み込めない。そんな日々を変えたのは、娘のクリスマスプレゼントを探すためにデパートを訪れたキャロル。美しく、凛とした雰囲気をまとうキャロルにテレーズは魅了されていく。その想いはやがて形を変え、二人の関係にも変化が生じる。

 

女性と女性の愛を描いた物語です。とはいえ、同性愛問題を前面に押し出すという感じではなく、愛し合う二人の心やそれを取り巻く人間や社会を描いた映画です。

同性愛についてわたしは特に思うことはありません。わたしが女性をすきになった経験がある(といっても若いころ特有のものだと思いますが)ので、例えば友人が「わたし同性愛者なの」と言われても「あ、そうなの」ぐらいで終わるし、例えば女性から「好きです」と言われても、男性からそう言われるのと同じように感じるだけだと思います。そんなスタンスなので、この映画の「同性愛」という部分については触れません。

 

わたしが「あ、いいな」と思ったのは「テレーズの成長」です。キャロルに出会ったころのテレーズは、恋人(?)からの結婚も決断できず、「自分を持っていない」女の子でした。テレーズが自分で言うように、「ランチのメニューも自分で決められない」。それが、キャロルと出会い別れるまで、共に過ごし、辛くて悲しい出来事も経験してゆくなかで、大人の女性として成長してゆきます。自分の意思で決断し、行動できるようになるテレーズ。物語終盤のテレーズからは自分の足で立ち生きてゆく女性の気高さが感じられました。そのテレーズの美しさは、とても印象的でした。

 

性別にかかわらず、人を愛し、それが受け入れられて同じときを過ごし、けれど別れが訪れたり、そういう愛するひととの関わりが、きっと人間を強く美しくするのだと思います。

 

そうそう、テレーズ役のルーニー・マーラがとても可愛い。あと、キャロルの真っ赤な口紅が素敵でした。

 

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【作品情報】

『キャロル』

監督:トッド・ヘインズ

出演:ケイト・ブランシェットルーニー・マーラ

製作国:イギリス、フランス、アメリカ

公開:2015年