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【旅行】イスラエルに行った10~感想とこれからしたいこと~

イスラエル旅行記、前回まででひとまず書き終えました。あまり詳しく書いていないのですが、もしイスラエルに行く方がいらっしゃいましたら、参考になれば幸いです。

 

さて、今回はただの感想です。行ってみて思ったことをだらだらと書きます。

 

旅行先としてイスラエルを選んだ理由は最初に少し書きましたが、それについてもう少し詳しく。

2014年の2月から3月にかけて、ヨーロッパを少し旅行していました。その旅行中にアウシュヴィッツ収容所に行き、ユダヤについてもっと知りたいと思うようになりました。アウシュヴィッツ収容所でイスラエルの旗を掲げながら見学する若者を見て、このポーランドの旅行の続きに、イスラエルがあるような気がしました。

 

それとは別に、2014年10月、スペインに旅行しました。スペインではグラナダバルセロナの二都市にしか行っていないのですが、そのグラナダに魅せられてしまったんです。初めて触れたアラブの世界でした。そこからもう、アラブ世界のとりこです。(あんまり関係ないのですが、アルハンブラ宮殿から見るアルバイシン地区の美しさには圧倒されました。1時間くらい眺めていました)

今まであまり興味のなかったイスラムについて知りたくなって関連の本を読んだり、その後、簡単に行けるアラブの国ということでモロッコに行ったりしました。

イスラムを勉強し始めると、キリスト教ユダヤ教にさかのぼることが必至なんですようね。そこから興味を持ったのが、やはりイスラエル

 

だから今回の旅行は、以前に行った旅行の一連にあるもので、自分の中では中締め的な感じでした。そういう意味では、結構達成感のある旅行でした。

 

イスラエルに行くというと、多くのひとが「危ないよ」と言います。たしかに、渡航情報では全域が「十分注意」「渡航中止勧告」です。危なくなくはないですよね。それでも「危ないよ」と言ってくれたほとんどの方が、単なるイメージで言っているように感じました。「何が危ないの?」と聞くと、「なんとなく」って返ってくるんですよね。もちろん親切で言ってくれているのでそんなに不躾には言わないですよ。でもイスラエルってそんなに危険なイメージなのかな。

最近、特に10月に入ってから、エルサレム市内でも衝突がしばしば発生しているようで、「そんなに危なくないよ!」と言えなくなってしまったのですが。

 

「なんでイスラエルに行きたいの?」ということもよく聞かれました。これは、正直困りました。はっきりと言語化できなかったんです。嘆きの壁が見たい、岩のドームが見たい、それはそうなんですが、それだけじゃない。さっき書いた、旅行の一連として、それもそう。そうなんですが、ひとに納得してもらえるようにうまく説明できなかった。「イスラエル」というところを見てみたいという思い。結局、「なんとなく怖い」というイメージを持っている方と一緒で、わたしも「なんとなくのイスラエル」のイメージを勝手に抱いて、そのイメージがわたしにとってはその憧れで、その憧れがイスラエルに行きたいという気持ちの根幹になっていたんだと思います。

 

では行ってみてどうだったか。

行ってよかった。どういう点でよかったというと、当初の目的のとおり「学びのきっかけ」になったということです。

イスラエル自体は、万人にお勧めできるような場所ではないと思います。例えばバルセロナに行ったあと、わたしは「バルセロナほんとよかった!おすすめ!」みたいなことを言っていたのですが、イスラエルに関してはそうは言えない。

帰ってきて、イスラエルパレスチナに関するものやユダヤ教に関するものの本を読んでいるのですが、知識を得る際に、関連する場所に「行ったことがある」というのは大きい気がします。たかが旅行でと言われそうなんですが、その国や地域を少し身近に感じられるようにはなるのではないでしょうか。地理的なイメージもしやすくなるし。

イスラエルに関するニュースが気になるようになったり、歴史を勉強しなおしてみたりと、興味関心の間口は広くなったと思います。そういう点で、行ってよかった。

 

行ってみて改めて考えるようになったことは、やっぱり宗教とパレスチナ問題のことです。

旅行記のなかで、あんまり宗教について言及していないと思うんですが、それは単に、知識がなさすぎて、「考えること」ができなかった、「考えること」をしなかったんです。あまりに幼稚な感想しか抱けなかったので恥ずかしくて書けなかったんですが、かっこつけても何なのでここで少し書きます。

嘆きの壁を初めてみたときに思ったことは、「こんなにも一心に信じられるものがあるっていいな」ということでした。壁の前で涙を流しながら、嗚咽しながらお祈りするひとびと。シンブルに「羨ましいな」と思いました。わたしは自分を仏教徒だと一応認識しているのですが、だからと言って仏さまを敬っているわけではないし、極楽浄土とかあんまり信じていません。わたしの心のよりどころとなっているのは宗教ではない。日本では多くのひとがそうだと思います。宗教を絶対的な心の柱にしているひとは少ないのではないでしょうか。

ホテルの部屋で、熱心なユダヤ教の方とお話する機会がありました。神について、熱く話してくれました。(このときも「わたしは仏教徒です」で逃げようとしたんですが、彼女は仏教を批判したうえでどれだけ神が素晴らしいかを説いてくれました)

自分たちを救済してくれる絶対的な存在。それがあることで、生きるのがすこし楽になったりするのかな。生きるのに光が見えたりするのかな。そう思うと、やっぱり羨ましい。

この話を帰ってからある方にしたら、その方は「怖いね」って言っていました。それもわかります。信じているものが絶対だから、それ以外は許容できない。それはたしかに怖いことだとも思います。

 

パレスチナ問題については、分離壁を見ても、実はそれほど心が揺れたりしませんでした。分離壁を見たひとは、ちゃんと心を痛めたり平和について考えたりするようですが、わたしはそこまで強い感情が起こらなかった。感受性が豊かでないのが問題なのかもしれませんが、それは置いておいて。多分、「こう感じるのが正解なんじゃないか」という理性が先にきてしまって、素直な感情を引き出せなかった。なにも知らないわたしが勝手になにかを感じることがいけないような気がした。本当はまったくそんなことないのでしょうが。別に感じることに正解はないのだから、政治的歴史的経緯を知らなくても、何かをちゃんと考えればよかったと思います。壁が隔てている現状を見て。

それでも、やっぱり関心は持ちました。知りたいって思いました。イスラエルアラブ諸国の関係について。知らないから考えれなかった、なんて言い訳をしなくていいように。

 

さて、旅行が終わって1か月がたった今、それらに関する興味関心は衰えていません。熱しやすく冷めやすいわたしにしては珍しい。

イスラエルに行ったことでできた、これからしたいことを簡潔に書きます。

・宗教の勉強。特に一神教について。

・聖書を読みたい。これはできるだけ早く。

・世界の勉強。とくに第2次世界大戦時のホロコーストについて。

ウズベキスタンに行きたい。

・トルコに行きたい。

・イランに行きたい。

 

最後の3つは単に次に行きたいところです。

 

たかが10日間の旅行です。ただの観光です。そんなに熱く語ることもないのですが、わたしにとってはやっぱりいい経験でした。

 

最後に、エルサレムには猫さんがいっぱいいました。大人しくて可愛い。

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