ベーグルに憧れている

書きたいときに書きたいことを

【雑記】真っ赤な口紅を買いました。闘う色です。

口紅を変えた。そもそも口紅はそんなに使うことがなく、たまに気が向くとピンク系の色をのせる程度だった。口紅って、なんだかとても恥ずかしくて、そのたまにある気が向いてピンク色を差した日も、ちょっとだけ落ち着かなかった。似合わない気がして、大人ぶっている気がして、こそばゆかった。

 

買ったのは真っ赤なもの。初めてその赤を塗った日の朝、どきどきしながら職場に向かった。そんなことは絶対にないのだけれど、とてもとても自意識過剰なことは解っているのだけれど、すれ違う人の視線がわたしの唇に注がれている気がした。

女性の同僚は気付いていると思う。でも、いきなり真っ赤な口紅を塗ってきた、普段から奇行が目立つわたしに、彼女たちは何も言わなかった。きっと、痛い女だ、と思っていたのだろう。

男性の上司から「口紅すごいね」と言われた。いい意味ではないのだろう。それでも、慕っている方だったので、気付いてくれたことが嬉しかった。照れて、「これまでだってつけていました。今更ですか」と言ってしまった。「そっか、全然見ていない証拠だね」って笑顔て返してくれた。いいえ、今日がはじめてです。あなたはちゃんと気付きました。ありがとう。

 

それにしても、口紅ってすごい。魔法をかけてくれるのだ。朝、家を出る直前に唇に真っ赤な色を差す。それだけで一気に仕事モードになれる。憂鬱なこと、うじうじ考えてしまうことを、鮮やかな赤が覆い隠してくれる。大丈夫、わたしは強い女だ。大丈夫、今日も闘える。大丈夫、今日も笑える。

もともと社交的ではないわたしが、職場で強く明るい女性を演じるためには、口紅がとても役に立つ。一種の麻薬だ。ピンクから真っ赤なものに変えたことがより効果的だった。

真っ赤な口紅で、わたしは「強い女性」を演出したかったのだ。

ピンクじゃ駄目だったんだ。「可愛い女性」じゃないんだ。男の人の庇護下にいなきゃ生きていけないような女性への対抗心。なんとなく思い浮かべるのは小林緑のような女性。なんとなく、彼女は赤が似合う。彼女自身が言っていたように、緑色じゃない。彼女のイメージは赤だ。彼女の強さは、鮮やかな赤を連想させる。希子ちゃんのCMのせいでしょと言われるかもしれないし、実際それもあるんだろうけど、それでもずっと前に小林緑を知ったときから、わたしは彼女と赤を結び付けていたと思う。

 

赤色ってすごいな。生物を奮い立たせる色というだけあって侮れない。

明日は金曜日。今週もあと1日。頑張ろう。。真っ赤な紅を唇に差して。