ベーグルに憧れている

書きたいときに書きたいことを

【本】秋を愛する心深き人になりたくて/『ハイネ詩集』

先日ぼーっと電車に揺られながら、あぁちゃんと秋も深まってきたなあとしみじみしていた(先日は昨日今日ほど寒くはなく、ちょうどいい秋でした)。

秋が好きで、1年間ずっと秋だったらいいのにと思うけれど、たぶんそれじゃ面白くないんだろうな。

で、急になぜか、『四季の歌』が頭に浮かんできた。あの、“春を愛する人は~♪”っていう歌ね。

一応載せておきましょうか。ジェロさんも歌ってた。

四季の歌

四季の歌

  • ジェロ
  • Enka
  • ¥250

 

春は友だちで、夏は父親で、秋は恋人…。春は心清き人、夏は心強き人、秋は…?

なんだっけ。思い出せなかったので、調べてみた。

 

秋を愛する人は 心深き人
愛を語るハイネのような
ぼくの恋人

そうそう、“心深き人”ね。

いいね、秋を愛する心の深い人。秋を愛する心の深いぼくの恋人。

なんだかものすごいわたしの心にびびっときた。わたしもそういう人になりたい!秋を愛する心の深い女の人って絶対素敵だ!浅はかなわたしはもう、そう思ってしまいました。

思ってしまった後の行動は早く、電車を降りるまでにはAmazonでポチっと、ハイネの詩集を注文していました。

これでわたしも愛を語れるようになるのですね。なんて安易な。

 

そんなこんなで、今日、届きました。

 

ハイネ詩集 (新潮文庫)

ハイネ詩集 (新潮文庫)

 

 

これ読んだらわたしの理想の「ぼくの恋人」になれるんだと(そんなわけないのに)もうどきどきですよ。すぐ本を開きました。

 

 

結果。秋を愛する心の深い、愛を語る人にはなれそうもありませんでした。

 

そもそも「詩」が好きじゃないのかも、とも思ったけれど、そうじゃない。茨木のり子の『自分の感受性くらい』という詩はもうずっと好きだし、中原中也金子みすゞも好きだ。

なんだろう、美しい言葉で美しい景色や気持ちを表現する、そういうのにあんまり興味がないのかもしれない。汚い世界や醜い感情、そういうのに興味がある。ハイネの詩は、読んだ限りではわたしにはきれいすぎた。

上にも書いたように、好きな詩って、社会性が強かったり、人生観を謳ったり、現実的なものが多い気がする。

純文学がそれほど好きじゃないように、耽美な情景や繊細な感情に、そんなに惹かれない。小説だって社会性の強いものが好きだ。

 

 

そんなこんなで、タイトルの願望はあっさり崩れ去りました。

社会を風刺している詩、人間の醜い感情をうたっている詩などがありましたら教えてください。読みたい。